対面営業・商談

仕事を断られたときの返信例文|次につながる断られ方

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このシリーズの全体像 営業メールの例文集|場面別に、そのまま使える文面

断られたあとの返信で決まるのは、印象ではなく「次に声がかかるかどうか」

断られたら、当日〜翌営業日に、頼まない返信を1通出す。それだけです。長い文章もうまい言い回しも要りません。むしろ長く整えようとするほど時間が空き、出しづらくなっていきます。

断られたあと、返信の有無で次の展開が分かれることを示す分岐図

断られた瞬間、その場では相槌を打ったのに、あとで何を送ればいいか分からず、そのまま返信せずに終わる——それを繰り返しているなら、二回目が怖い型なのかもしれません。もう一度連絡してまた断られたら、今度こそ「向いていない」と確定してしまう気がして、次の一歩が出せなくなる人も多いようです。返信が書けないのは礼儀を知らないからではなく、断られた時点でこの相手はもう終わりだと自分の中で線を引いてしまっている人が多いのかもしれません。断られたのは提案のタイミングや条件であって、あなた自身の価値ではありません。もう一度連絡していいのです。

打ち合わせの場で「今回は見送らせてください」と告げられ、その場ではうなずいたものの、あとで何を送ればいいか分からず、結局何も送らないまま日だけが過ぎる——という形で終わることもあります。

でも、断られた=関係が終了、ではありません。相手は時間を割いてあなたの提案を検討し、断りのメールを書いてくれています。

この「終わり」の判断は、実は早すぎるのかもしれません。あるBtoB営業セミナーに登壇したラクスの宮坂氏は、問い合わせ顧客の実に7割が「長期検討」になり、見送り・失注になった相手のうち7割は2年以内に高確率で再商談が発生する見込み客で、放置したお客さまの8割は2年以内に競合製品を購入するとされている、と紹介しています。出典元をたどれる公的統計ではなく、営業の現場で語られている数字として引用されたものです。

返信しないことは、何もしていないのではなく、静かに他の誰かへ渡す動きになっています。今日断られた相手が、2年後もう一度あなたを探すかもしれない。その可能性を自分で切っているのが、無返信という選択です。

この記事では、見積もりを出す前の段階や、対面・電話でその場に断られた場面を中心に、4つの場面別のコピペ返信例文、クッション言葉の使い方、送ってはいけないNG返信、断られたあとに残すメモの作り方まで順番に説明します。見積もりを提出したあとの正式な失注連絡への返信は失注メールの例文にまとめてあるので、場面に応じて使い分けてください。次に断られたとき、そのまま使える文章として持っておいてください。

そのまま使える返信例文(4場面)

返信の型は共通です。①検討と連絡へのお礼 → ②相手の判断を尊重する一文 → ③理由を1つだけ軽く聞く(任意) → ④次の接点の置き方。この順番で4行〜6行に収めます。長く書こうとするほど、出せなくなります。

断られた返信を書く4つの手順を示すステップ図

メールで返す場合、件名は元のメールへの返信のまま(Re:)で構いません。対面や電話でその場に断られた場合は、短くうなずいてから、当日中に一言メッセージを送るだけで十分です。

例文1・打ち合わせの場で、その場で見送りと言われたとき

その場では「承知しました。またお声がけいただけると嬉しいです」の一言で十分です。持ち帰って長く考える必要はありません。そのうえで、当日中にこの一通を送ります。

本日はお時間をいただき、ありがとうございました。今回は見送りとのこと、承知しました。差し支えなければ、どのあたりが基準に届かなかったか一言だけ伺えると次の参考になります。またお話しできる機会がありましたら、その際は何卒よろしくお願い申し上げます。

理由への一言(差し支えなければ)はクッション言葉、締めは定番フレーズを使っています。理由を聞いたことへの返事が来なくても、催促はしません。聞くところまでが仕事です。

例文2・提案前の段階で、見積もりを出す前に見送りと言われたとき

ご連絡ありがとうございます。今回は見送りとのこと、承知いたしました。まだお見積りをお出しする前の段階でしたので、あらためて条件が整うタイミングがありましたら、ぜひお声がけください。

まだ金額を出す前の段階なので、条件への反論は書きません。窓口が開いていることだけを短く伝えます。他社に決まったと理由まで示された場合は、反論せず相手の決断を尊重する一文に変え、進行がうまくいくよう願う言い方で締めます。内定辞退への返信でも使われている考え方です。

例文3・時期が合わないとき

ご連絡ありがとうございます。今期は着手が難しいとのこと、承知しました。時期が来たときに思い出していただければ十分です。◯月ごろに一度、状況だけ伺うご連絡をしてもよろしいでしょうか。

次の連絡日を、相手の許可を取ったうえで置いているのがこの型の要です。◯月には具体的な月を入れます。「そのうち」「また今度」のような曖昧な言葉のまま出さないこと。曖昧なまま出すと、結局こちらが日付を決めていないのと同じになります。

例文4・紹介してもらった相手に断られたとき

今回はご縁がありませんでしたが、お会いできてよかったです。ご紹介いただいた◯◯さんにも、その旨お伝えしておきます。

紹介者への一報までが1セットです。ここを飛ばすと、紹介者は結果を知らないまま、次の紹介を出しづらくなります。断られた事実だけを淡々と伝え、紹介者への感謝は別立てで伝えるほうが、報告が重くなりません。

4つに共通しているのは、相手の判断を否定していないことです。断られた理由に反論せず、まず受け止める。そのうえで、次につながる一言を1つだけ足す。置き換える場所は◯◯だけで、長く書き直そうとするほど出せなくなるので、テンプレのまま出してください。

クッション言葉は「和らげる」ためではなく、書き出しで固まらないために使う

クッション言葉とは、お願いや断りの本題の前に添えて、印象を和らげる働きを持つ言葉です。そのまま使えるのは次の言葉です。

クッション言葉使う場面
申し訳ございませんがこちらの都合を伝える前
失礼ですが立ち入った質問の前
差し支えなければ相手に答える義務のない質問の前
お忙しいところ恐縮ですが相手の時間を使わせる前
お手数ですが相手に何かの動作を頼む前

断られた側の返信で一番使いどころが多いのは「差し支えなければ」です。理由を聞くときにこの一言を添えると、相手に「答えなくてもいい」余地を残せます。「理由を教えてください」とだけ書くと質問というより要求に読めますが、「差し支えなければ、理由を伺えますか」なら、答えるかどうかの判断ごと相手に渡せます。

理由を聞くこと自体は失礼ではありません。答えを強制する形になっていないかどうかの違いです。

使いすぎには注意が必要です。1通に1つまでにして、文の頭に2つ重ねないこと。クッション言葉を並べて全体を長くすると、本題が見えなくなります。必要以上の説明は読む負担になり、自分本位と受け取られます。

書き出しで手が止まったときは、この5つのどれか1つを置いてから本文に入る、と決めておくだけで筆が動きます。電話やその場での会話で断られたときも考え方は同じです。まず一言添えてから、聞きたいことを聞く。順番を守れば、口頭でもきつい印象になりません。

送った瞬間に関係が切れる4つのNG返信

NG具体的にどうなるか
感情的な反論「それは間違っています」といった言葉や、詰め寄るような聞き方
長すぎる言い訳選ばれなかった理由への釈明を書き足す
無理な売り込み「今なら特別価格で」と条件を下げて押す
無返信何も送らない

NG返信とOK返信の言い回しを左右に並べた比較図

それぞれ、関係が切れる理由も添えておきます。長すぎる言い訳は、読む負担になり自分本位と受け取られます。無理な値引きは信頼を崩します。無返信は、相手が時間を割いて書いた断りのメールに応えないままにすることです。感情的な反論は相手を身構えさせるだけで、無理な値引きは一度出すと次に声がかかったときの起点になってしまいます。

送信前に、理由を問い詰める形になっていないか一度読み返してください。「なぜ選ばれなかったんですか」と単刀直入に聞く一文と、「差し支えなければ一言だけ伺えると」と添える一文では、相手が受け取る圧が違います。ネガティブな表現を使わないことも大切です。断りを伝えた側にも罪悪感はあり、それを和らげたうえで、次の機会に触れて締めるのが基本形です。

相手の判断を否定しないことと、賛成することは別です。内定辞退への返信で使われている考え方ですが、決断そのものを尊重する姿勢を見せれば十分です。この4つは、どれも「もう一度チャンスがほしい」という気持ちから出やすいものです。気持ちは正しくても、出し方を間違えると、次の連絡そのものが取れなくなります。

迷ったら、送る前に一度声に出して読んでみてください。詰問に聞こえる箇所は、たいてい声に出すと分かります。

「またご縁がありましたら」で終わらせると、そこで本当に切れる

定番フレーズ「今後また機会がありましたら、その際は何卒よろしくお願い申し上げます。」は、締めの言葉として間違っていません。ただ、これだけで終わらせると、次に動く人が決まっていません。

「縁がなかった」で終わらせてしまうと、タイミングや相手のせいにしたまま、何が起きたのかを振り返らずに終わります。だから次に同じ場面が来ても、また同じ返信を書くことになります。

直し方は一語だけです。

直す前直したあと
今後また機会がありましたら、その際は何卒よろしくお願い申し上げます。◯月ごろに一度、状況だけ伺ってもよろしいでしょうか。

相手の手間はゼロのままです。答えは「はい」か「いいえ」だけで済みます。でも、こちら側には次の日付が残ります。

許可を取る形にしておくと、次に送る連絡は「売り込み」ではなく「約束の実行」になります。二回目を出すハードルは、この一行だけでかなり下がります。

断られた直後は、次の接点を一番置きやすいタイミングです。日が空くほど、連絡は出しづらくなります。さりげなく他の解決策やサービスを示すと、興味を持ってもらえる可能性もあります。

ただし1行までにしてください。押すと、また売り込みに戻ります。

返信のあとに残す1行メモ(次に効くのはここ)

返信は送って終わりではありません。残すのは次の項目です。

1行メモに残す6つの記録項目を並べた構造図

  • 断られた日
  • 場面(対面・電話・見積もり前後など)
  • 理由(価格/時期/他社/社内事情)
  • 紹介者がいる場合はその名前
  • 次に連絡する月
  • 相手が使った言葉そのまま

例えば「8月・対面・理由:時期/紹介者:なし/次回連絡:11月/『予算が確保できたらまた』」のように、1行にまとめておくだけで十分です。凝った様式は要りません。スプレッドシートにするなら、この項目をそのまま列見出しにするだけで足ります。

相手が使った言葉をそのまま残しておくのは、次に連絡するときにその言葉を使えるからです。自分の言葉で言い換えるより、相手が言った通りに書いたほうが、相手には自然に届きます。

同じ相手と一回きりの付き合いで終わってしまうのは、この記録が残らないからです。記録がないから、次に会ったとき何を話せばいいか分からなくなり、また一回きりで終わります。

理由を4分類にしておくと、次の見積もりの出し方が変わります。価格が理由で続くなら総額の出し方を、時期が理由で続くなら提案するタイミングを、それぞれ見直す判断材料になります。他社が理由で続くなら、比較される前の説明の順番を見直す材料になります。紹介経由で続くなら、紹介者への事前の説明を厚くする材料になります。

見送り・失注になった相手のうち7割は、2年以内に再商談が発生する見込み客だとされています。出典をたどれる統計ではありませんが、この名簿を持っているかどうかで、2年後の仕事量は変わってきます。

送信前チェックリスト

  • □ 当日〜翌営業日に返信した
  • □ 頼み事を入れていない
  • □ 次の連絡月を書いた
  • □ 場面と理由をメモした

次の連絡は何ヶ月後に、何を書いて出すか

置いた日付が来たら、その通りに出します。書くのは近況1つと、相手に関係する情報1つだけです。用件は作りません。

近況は「新しい実績が1つ増えた」でも「担当が変わった」でも構いません。相手に関係する情報は、前回のやりとりで出た話題の続きにすると自然につながります。

◯月に一度ご連絡すると申し上げていたので、その約束で。その後、◯◯の件はいかがでしょうか。こちらは◯◯の仕事が増えてきました。何かあればいつでもご連絡ください。

返事が来なくても、それは断りではありません。断られたからといって、全ての関係が終了してしまうわけではありません。返事のなさは、まだ「検討中」の形でもあります。

2回目・3回目の連絡が出せなくなる人は、たいてい頼み事を混ぜて重くしています。「そろそろいかがですか」という催促を入れず、近況の共有だけにとどめると、相手も返事を書く負担なく読めます。頼まない連絡は、続けられます。

放置した相手の8割は、2年以内に競合へ流れるとも言われています。この数字も、ある登壇者が営業の現場の実感として紹介したもので、裏づけとなる公的統計ではありません。それでも、連絡を続けている相手だけが、検討が再開したときに思い出されます。

営業を場当たりでやらず、相手との関係を積み上げる仕組みとして考えたい人は、PRMという考え方も参考になります。断られた相手を「終わった相手」ではなく「まだ関係が続いている相手」として扱う発想です。対面営業の作法に立ち返れば、断られたあとの1通も、名刺交換や商談と同じ、関係を続けるための一工程にすぎません。

返信の1通と、月1回のメモ。積み重ねるのはこの2つだけです。次に断られたときも、同じ手順を繰り返すだけで名簿は増えていきます。

よくある質問

仕事を断られたとき、返信は必要ですか?

必要です。相手は時間を割いて検討し、断りのメールを書いてくれています。無返信は「これで終わり」の意思表示になります。当日〜翌営業日に4〜6行で返しましょう。

断られた理由は聞いてもいいですか?

聞いてかまいません。ただし1つだけ、「差し支えなければ」を添えて、答えなくてもいい形で聞きます。問い詰める聞き方は避けてください。

断られたあと、次に連絡するのはいつがいいですか?

日付は返信の中で置いてしまうのが確実です。「◯月ごろに状況だけ伺ってもよいですか」と許可を取れば、次の連絡が売り込みではなく約束の実行になります。

価格が理由で断られたとき、値下げを提案してもいいですか?

やめたほうがいいです。「今なら特別価格で」という値下げの押し方は信頼を崩します。値下げは一度出すと、その金額が次の基準になりやすいものです。

他社に決まったと言われたら、どう返信すればいいですか?

相手の判断を尊重する姿勢を示し、決定した進行がうまくいくよう願う一文を添えます。内定辞退への返信で使われている考え方ですが、断られた場面全般に応用できます。そのうえで、次に役立てる場面があれば連絡してほしい、で締めます。

「またご縁がありましたら」で締めるのは間違いですか?

間違いではありませんが、それだけだと次に動く人が決まりません。定番フレーズの後ろに、具体的な連絡月を1行足しましょう。

参照した情報源

  1. 営業で断られたときの"その後"が商談を左右する?リクルートが実践するフォローの工夫(ログミーBiz)・確認日 2026-08-26
  2. クッション言葉の使い方|敬語の使い方|ビジネスマナー|マナー事典(NPO法人日本サービスマナー協会)・確認日 2026-08-26
  3. お断りメール・断りへの返信の例文集や書き方のポイント、定番フレーズを紹介(マイナビニュース)・確認日 2026-08-26
  4. 【ケース別例文】営業で断られたときの返信術|チャンスに変える文面・マナー・AI活用法を解説(SalesInsight(Sales & Innovation))・確認日 2026-08-26
  5. 営業で断られたときの返信メールの書き方!参考にできる例文も紹介(法人営業ハック)・確認日 2026-08-26
  6. 内定辞退者への返信方法とメール文例をケース別に紹介(エン株式会社(エン転職))・確認日 2026-08-26

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