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美容室・ネイルサロン・エステの値上げのお知らせ例文|常連さんが離れない書き方

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このシリーズの全体像 お金の話の伝え方|値段・値上げ・値引きを、関係を壊さずに伝える

値上げのお知らせ文例はそのまま使える?

値上げのお知らせは、業種が違っても書き方の型は同じです。そのまま使える3業種の例文を用意したので、自分の店に近いものを選び、金額だけ差し替えてください。

美容室:レジ横・店内掲示の例文

料金改定のお知らせ 2026年10月1日ご来店分より、下記メニューの料金を変更いたします。 ・カット ◯,◯◯◯円→◯,◯◯◯円 ・カラー(ショート)◯,◯◯◯円→◯,◯◯◯円 シャンプー・ブロー、学生料金は据え置きです。 9月30日までにご予約済みの10月分のご予約は、変更前の料金で承ります。 技術と薬剤の質を落とさずに続けていくための改定です。これからもよろしくお願いいたします。

ネイルサロン:LINE・DM配信の例文

スマホで読む前提なので、冒頭2行に日付と金額を置きます。

10月1日ご来店分より料金を改定します。 ・ワンカラー(オフ込み)◯,◯◯◯円→◯,◯◯◯円 ・定額デザインAコース ◯,◯◯◯円→◯,◯◯◯円 ケアのみ、リペア1本、お直しは据え置きです。 回数券をお持ちの方は、期限内は現在の内容のままお使いいただけます。

エステ:コース・回数券がある場合の例文

単発と回数券では扱いが違うので、分けて書きます。

11月1日ご契約分より、フェイシャル60分コースを◯,◯◯◯円→◯,◯◯◯円に改定します。 すでにご購入済みの回数券・コースは、有効期限まで現在の料金・内容で消化いただけます。 10月31日までのご契約は現行料金です。

3本に共通しているのは、①日付②旧価格→新価格③据え置きメニュー④予約済み・回数券の扱い⑤理由1〜2文⑥お礼1文、という順番です。この順番を崩さないでください。自分の店の上げ幅がまだ決まっていない場合は、このあとの「上げ幅と対象メニューの決め方」から先に読んでも構いません。

NG例はこちらです。

諸般の事情により、一部メニューの料金を改定させていただくこととなりました。何卒ご理解のほどお願い申し上げます。

日付も金額もなく、どのメニューがいくら上がったのかが分かりません。読んだ人は「全部上がった」と受け取ります。

客が離れないお知らせに何を入れる?

先に書く3つ:いつから/旧いくら→新いくら/据え置きメニュー

値上げ告知に必要な6項目をチェックリスト形式で示した構造図

「値上げします」とだけ書いた文面は、実務で見ていると問い合わせが集中しやすい書き方です。旧価格を併記するのは不誠実ではなく、上げ幅を自分で言い切る行為です。いつから、いくらからいくらになるのか、上がらないメニューは何か。この3つを先に書きます。

抜けやすい3つ:予約済みの人/回数券・チケット/指名料・オプション

揉めるのはここです。「10月1日ご来店分から」なのか「10月1日ご予約分から」なのかを一語で決めてください。例えば9月20日に10月5日来店の予約が入っている場合、来店日基準なら新料金、予約日基準なら旧料金になります。どちらか一方に決め、レジやカルテのメモにも同じ基準を書いておくと、スタッフ間で答えがぶれません。

指名料が別建ての店なら、指名料を同じ施行日から変えるのか据え置くのかも、本体価格の据え置きリストとは別に一行加えます。回数券や前払いのコースは、お客さんとの契約条件に関わります。取り扱いに迷う場合は、専門家に相談してください。

理由は最後に2文まで

書く順番は、結論(金額)が先、理由が後です。理由を材料費や光熱費といった世の中の話だけで終わらせず、自分の店の話を1文足します。「薬剤を変えずに続けるため」「施術時間を10分延ばしたままにするため」のように、自分の店で何を守っているかを書きます。

掲示前の指差し確認(6行チェックリスト)

  • 施行日を書いたか
  • 旧→新を数字で書いたか
  • 据え置きメニューを書いたか
  • 予約済みの扱いを書いたか
  • 回数券の扱いを書いたか
  • 理由が2文以内か

NG例は、謝罪の言葉が5回以上出てくる文面です。「申し訳ございませんが」「恐れ入りますが」「ご迷惑をおかけしますが」を並べると、値上げが悪いことだと自分で宣言することになります。謝罪は多くて1回にします。

値上げのお知らせが書けないのはなぜ?

ここまでの型どおりに書けば、お知らせは完成するはずです。それでも下書きを3日書いては消しているなら、理由は文章力ではありません。電卓ははっきり「あと500円」と出しているのに、手が止まっています。

書けない原因は文章力でなく金額を言う心理にあると示す因果図

下書きを消す瞬間に何が起きているか

消しているのは言い回しではありません。金額の数字を書いた瞬間に手が止まるなら、直したいのは文面ではなく、その数字を書くこと自体です。「1,000円上げます」と書いて消し、「500円」に書き直してまた消す。

金額の大小ではなく、金額を書くという行為そのものに引っかかっています。丁寧な言葉に変えても、次の下書きでもまた同じ場所で止まります。

値段が言えない型かもしれません

値段が言えない型かもしれません。金額を言うことが、自分の値打ちを言うことになっていて、口に出せない型です。カットもネイルもフェイシャルも、技術は手の中にあるもので、目に見える形で誰かに証明できるものではありません。だから金額を上げる場面になると、技術そのものより先に、自分の腕への自信が値札として試される気がしてしまいます。腕が足りないからではなく、日々磨いてきた技術と、お知らせに書く金額を、同じ天秤に乗せてしまっているだけかもしれません。

渡す許可:値段は自分の腕の点数ではなく、仕事の条件

値上げのお知らせの仕事は「評価してください」ではありません。「条件が変わります」という連絡です。値段は、あなたの腕を採点した結果ではなく、これからの仕事を続けるための条件です。だから、お知らせに謝る文面はいりません。

お客さんは、思うほど身構えていない

2023年公表のヘアサロン限定調査(リクルート調べ)では、顧客の約4割が値上げ(予定を含む)を経験しており、値上げ実施(予定)サロン利用者の7割が納得しています。値上げをきっかけに「サロンを変える」「変えるか迷っている」人より、「変えるつもりがない」人のほうが多いという結果も出ています。ネイルサロンやエステを対象にした数字ではないので、あくまで参考値としてとらえてください。それでも、こちらが身構えているほど、お客さんは身構えていないことが多いというのが実務での実感です。

ここから先は、上げ幅の決め方と伝え方の実務です。文面から謝罪の言葉を減らし、数字の具体を増やす。この2つだけ意識してください。

値上げ幅と対象メニューはどう決める?

世の中の上げ幅を知っておく

メニューごとの時間単価を比較し値上げの優先順位を可視化した図

同じヘアサロンの調査では、値上げ幅は500~1,000円未満がもっとも多く、値上げされたメニューはカットがもっとも多く、次いでカラーでした。同じ調査で、カットとヘッドスパの値上げ幅は500円未満がもっとも多かったという結果も出ています。ネイルサロンやエステの数字ではないので、あくまで参考値です。この幅は「これしか上げられない」という上限ではなく、自分の数字を作るときの目安として使います。

全メニュー一律にしない

時間がかかる割に安いメニューから先に上げます。手順はこうです。メニューごとに①所要時間②材料費③1時間あたりいくら残るかを紙に書き出し、時間単価が低い順に並べます。同じ金額のメニューでも、所要時間が長いほど時間あたりの単価は下がります。

時間あたりの金額が低いメニューほど、値上げの優先順位が高くなります。上位2〜3メニューだけ先に上げ、回転の速い小メニューは据え置いて、お知らせにも「据え置き」と書きます。

端数を残さない

元の金額に一定の割合を足しただけの、計算式が透けて見える数字は安っぽく見えます。切りのいい数字に丸めてください。丸めた分の差は、据え置きメニューで調整します。

NG例は、全メニューを一律10%上げて「全体的に改定」とだけ書くことです。据え置きが1つもない文面は、読む側に「どこまで上がるのか分からない」という不安だけを残します。

いつ・どこで・誰から伝えるか(告知の順番)

順番は「常連への口頭→店内掲示→LINE/DM→予約サイト・SNS」

常連への口頭伝達から掲示・配信・SNSへ広げる告知順を示すフロー図

顔を合わせている常連さんが、掲示や配信で先に知ると「自分は後回しにされた」という受け取られ方になります。施術中の会話で先に一言伝えてから、掲示や配信を出します。

告知期間は自店の来店周期から逆算する

カレンダーの月頭で区切らず、自店の来店周期から逆算します。直近3か月の予約台帳から、来店回数の多い常連さん全員について、前回来店〜今回来店の間隔を書き出し、短い順に並べてください。その8〜9割が収まる長さ(例:8週間)を基準にすれば、極端に間隔が空く一部の常連さんに引っ張られずに済みます。その長さより前に告知を出せば、多くの常連さんが値上げ前に一度は来店して直接聞けます。来店間隔がそれより長い常連さんには、掲示やLINEとは別に、こちらから一言連絡しておくと聞き逃しを防げます。

8週間だと分かれば、施行日の8週間前を告知の締め切りとしてカレンダーに書き込みます。逆算した日付が繁忙期と重なる場合は、1週間前倒しして余裕を持たせます。

直し忘れリスト

店内価格表、メニューブック、予約サイトの料金、公式サイト、Instagramのハイライト、紙のショップカード。予約サイトの表示と店内の掲示がズレていると、レジで説明する羽目になります。施行日の前日に全部見直してください。

NG例は、当日レジで初めて伝えることです。金額が変わったことを支払いの場で知らせるのは、値上げそのものより印象が悪くなります。

期限を切って駆け込みを煽る書き方(改定前の予約を焦らせる表現)も使いません。一時的に予約は埋まりますが、その分だけ改定後の数週間の予約が薄くなりやすい、というのが現場でよく見る流れです。

「高くなったね」と言われたら何と返す?

事実で返して、謝らない

言うことは決まっています。「はい、10月から料金を見直しました。薬剤を変えずに続けたかったので」。これで終わりです。言い訳を足すほど、値上げが後ろめたいことに見えます。

黙られたときに何をするか

沈黙を値引きで埋めないでください。埋めると安くしとく型に横滑りして、次から言い値になります。沈黙が続いても急いで言葉を足さず、5秒ほど待ちます。

相手が自分で納得の理由を探している時間だと考えてください。そのあとは金額の話を続けず、「次回はいつごろにされますか」と予定の話に戻します。

常連だけ据え置き、をその場で作らない

「〇〇さんだけは前の値段で」は、その場は丸く収まりますが、他の常連に伝わったときに説明できません。据え置きを作るなら、文面に書ける形(例:来店回数10回以上の方は3か月間据え置き)にして、全員に同じ条件で出します。

NG例は、「上のほうで決まったことなので」と自分以外のせいにすることです。一人サロンではそもそも通りませんし、店として決めたことを自分で言えないと、次の値上げがさらに言えなくなります。

値上げのお知らせでやりがちな失敗は?

文面の失敗

失敗①は、理由が世の中の話だけで終わることです。材料費や光熱費の高騰だけで終わると、どの店のお知らせでも成り立つ文になります。自分の店で何を守るための値上げかを1文足してください。

失敗②は、「一部メニュー」とだけ書いて金額を書かないことです。読む側は、自分のいつものメニューが上がったかどうかを知りたいだけです。金額のない告知は、結局レジで聞かれます。

運用の失敗

失敗③は、掲示だけ出してスタッフが誰も口にしないことです。スタッフが言いにくそうにしていると、お客さんはそれを察します。事前にスタッフ全員で「はい、〇月から料金を見直しました」の一言を声に出して合わせておきます。特に新人スタッフほど聞かれたときに口ごもりやすいので、想定問答を一枚の紙にして休憩室に貼っておくと安心です。

失敗④は、予約済みの扱いを決めずに走り出すことです。同じ日に来た2人に違う金額を提示してしまう事故が起きます。施行日は「来店日基準」か「予約日基準」かを、掲示を貼る前に決めてください。

タイミングの失敗

失敗⑤は、値上げと同時にメニューを増やすことです。読む側の情報量が倍になり、値上げ幅だけが記憶に残ります。新メニューの案内は最低2週間ずらします。

5つのうち、文面の失敗はお知らせを書く前に、運用の失敗は掲示を貼る前に、タイミングの失敗はカレンダーを見た時点で防げます。

値上げ後1か月で何をすればいい?

離れた人を推測でなく数で見る

施行から1か月後、前年同月と比べて①来店人数②客単価③再来店予約率の3つだけを台帳から拾います。人数が減っても、単価×人数が同じか上なら、値上げは効いています。感覚で「減った気がする」と落ち込まないための作業です。

台帳が紙の場合は、来店人数と客単価だけノートの隅に書き写しておけば十分です。専用のシステムは要りません。

来なくなった人への連絡は、値段の話をしない

「料金が変わったのでご検討ください」は催促に読めます。近況とお店の話だけを短く送ります。例:「前回のカラー、色の抜け方いかがでしたか。9月から担当の時間を少し長めに取っています」。

次回予約をその場で取る運用に切り替える

値上げのあとは、来店間隔がじわっと延びるお客さんが出やすい、というのが現場の実感です。会計時に「次はいつごろがよさそうですか」の一言を必ず言う運用に変えてください。値上げの効果を薄めるのは、離脱よりもこの間隔の伸びであることが多いです。

値上げは1回で終わらせず、次はいつ見直すかを自分の手帳に書いておきます(例:1年後の同じ月に時間単価を再計算する)。毎回ゼロから悩まないための仕組みです。

個人のお客様だけでなく、法人の取引先と契約でつながっている場合も、値上げを伝える順番の考え方は共通しています。詳しくは値上げの伝え方にまとめました。

顔を合わせて長く通ってもらっている関係だからこそ、事務的なお知らせほど丁寧に扱う価値があります。対面営業の作法を大事にしてきたお客さんであれば、値上げのお知らせもその延長として、丁寧さを伝える機会になります。

よくある質問

値上げのお知らせは何日前に出せばいいですか

カレンダーではなく自店の来店周期から逆算する。直近3か月の台帳で来店回数の多い常連さんの来店間隔を書き出し、8〜9割が収まる長さより前に告知すれば、多くの常連さんが施行前に一度来店して直接聞ける。間隔が長い常連さんには個別に一言添えるとよい。

値上げでお客さんはどれくらい離れますか

2023年公表のヘアサロン限定調査では、顧客の約4割が値上げ(予定を含む)を経験しており、7割が納得している。『変えるつもりがない』人の方が『変える』『迷っている』人より多い。ネイルサロンやエステの数字ではないので参考値。自店の数字は施行1か月後に来店人数・客単価・再来店予約率で確認する。

値上げの理由は正直に書いた方がいいですか

書く。ただし2文まで。材料費や光熱費といった世の中の話だけで終わらせず、自分の店で何を守るための値上げかを1文足す。長い理由は言い訳に読まれる。

常連さんだけ据え置きにしてもいいですか

その場の口約束で作らない。作るなら『来店回数10回以上の方は3か月間据え置き』のように文面に書ける条件にして、全員に同じ形で伝える。個別対応は他の常連に伝わったとき説明できなくなる。

回数券やコースを持っているお客さんはどうすればいいですか

購入済み分は有効期限まで現在の料金・内容で消化いただく、と告知に明記する。書き忘れると施行日以降に必ず問い合わせが来て、レジで一件ずつ説明することになる。契約条件の扱いに迷う場合は専門家に相談する。

参照した情報源

  1. 美容サロンの価格改定に関する調査<ヘアサロン編>(株式会社リクルート(PR TIMES))・確認日 2026-08-28

本記事は、当編集部の制作基準——出典との照合・表現・重複の多段検証——を通過したものだけを公開しています(下書きにはAIを活用)。 仕組みの詳細は編集プロセスの開示をご覧ください。

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