対面営業・商談

対面商談での聞き方の基本|話しすぎない営業のコツ

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このシリーズの全体像 対面営業の作法・人脈術 完全ガイド

商談の聞き方の基本は「話す3・聞く7」を目安にする

商談での聞き方に迷ったら、まず自分が話す時間を減らすことから始めてください。基本はシンプルで、「話しすぎない」だけです。

営業通話を対象にした大規模な調査があります。10分以上続いた商談だけを対象にした分析で、全体の平均は話す60%・聞く40%でした。多くの営業は、無意識のうちに話しすぎています。

成約と失注で比べると差がはっきりします。成約した商談の話す比率は57%、失注した商談は62%でした。わずか5ポイントの差ですが、成約と失注を分ける傾向として表れています。

同じ調査では、以前の分析時点で「黄金比」として話す43%・聞く57%という数字も示されていました。直近の平均は前述の60%まで上がっており、以前より営業側が話す時間が長くなっている傾向がうかがえます。

国内の実務でも「聞き7・話し3」を目安にする考え方があり、自分が話す比率は30%以下に抑えるのが鉄則だとされています。多くの営業は無意識に60〜70%話しており、これが「営業に話されすぎて疲れた」という顧客側の不満につながります。

聞き7・話し3といっても、極端な沈黙を作れという意味ではありません。相手が話しやすい場をつくり、出てきた言葉を拾う。そのための比率だと考えてください。

質問は「数」より「深さ」——商談を尋問にしない

「聞く力を鍛える」と聞くと、質問の数を増やせばいいと考えがちです。ですが、データはむしろ逆を示しています。

成約した商談の質問数は15〜16個、失注した商談は約20個でした。質問を浴びせるほど成約率が上がるわけではなく、むしろ質問が多い商談のほうが失注していました。

質問攻めにされた相手は疲れます。答えることに追われ、本音を話す余白がなくなるからです。商談は尋問の場ではありません。

質問の数より、1つの論点をどれだけ深掘りできるかが効きます。営業技法のSPIN(状況質問→問題質問→示唆質問→解決質問)は、1988年にイギリスの行動心理学者ニール・ラッカム氏が著書『SPIN Selling』で発表し、世界中の営業現場で採用されています。状況を聞き、問題を聞き、その問題を放置した場合の影響を聞き、最後に解決策の価値に気づいてもらう。広く浅くではなく、狭く深く掘る型です。

質問を並べて答えを引き出すだけの時間になると、信頼も情報も生まれません。数を打つより、1つの質問に相手がどう答えるかをちゃんと聞くことのほうが、営業の仕事です。

沈黙を3秒待つ——出かかった本音を、間でつぶさない

質問した後、相手が黙り込む瞬間があります。ここで焦って言葉を継ぎ足すのが、多くの営業が話しすぎる原因です。

質問した後は、相手が考え込んでも3〜5秒は待つべきだとされています。沈黙を埋めようと営業が話し始めると、せっかく出かかっていた本音が引っ込んでしまいます。

実務でよくある落とし穴は、この気まずさに耐えられず補足説明を重ねてしまうことです。「今の質問はつまり〜」「例えば〜というケースもあって」と言葉を足すたびに、相手が言おうとしていたことは引っ込みます。

間に耐えるのは、性格ではなく技術です。黙っていられないのは才能の問題ではなく、練習していないだけだと考えたほうがいいと思います。

傾聴で「理解されている」を相手に届ける

聞き方の土台にあるのは傾聴です。傾聴とは、相手の言葉に丁寧に耳を傾け、共感しながら信頼を示すことだとされています。ただ話を聞くという単純な行為ではなく、相手が本当に伝えたいことを理解することが重要です。

聞き手が聞き役に徹すると、話し手は自分の心情や意見を自ら整理していきます。その結果、話し手は改善行動や解決行動に移りやすくなり、聞き手に対して「理解されている」「共感されている」という意識を持ち、信頼関係が築かれていきます。

営業にとって、傾聴によって相手を深く理解することは、ニーズの把握につながります。

実務に落とすなら、うなずき、おうむ返し、要約の3つです。相手の言葉をそのまま繰り返す、話の区切りで「つまり〜ということですね」とまとめる。これだけで「ちゃんと聞いている」が相手に伝わります。

話しすぎを防ぐセルフチェック表

聞き方は感覚では改善しにくいので、商談の前・中・後で使えるチェック表にしておきます。

タイミングチェック項目
商談前聞きたい質問を5つ以内に絞ったか
商談中「相手7・自分3」の比率を意識できているか
商談中質問した後、3〜5秒待てているか
商談後録音を聞き返し、自分の話す比率を確認したか

このセルフチェックは、対面営業の作法全体に共通する考え方の一部でもあります。聞き方は身振りや相槌だけでなく、商談前後の準備と振り返りまで含めて設計するものです。

話す比率を減らし、質問を絞り、沈黙を待つ。この3つだけ意識すれば、商談での聞き方は変わってきます。

よくある質問

聞き役に徹すると商談が盛り上がらないのでは?

傾聴は無言で聞くことではありません。うなずき・要約・共感で相手が話しやすくなり、むしろ深い話を引き出せます。

自分が話しすぎているか、どう確認すればいいですか?

商談を録音して聞き返すのが確実です。多くの営業は無意識に話す比率が6割を超えており、感覚だけでは気づきにくいのが実情です。

質問は多いほうがニーズをつかめるのでは?

逆になりやすいです。成約した商談はむしろ質問が少なく15〜16個で、質問の数より1つの論点を深掘りするほうが効きます。

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参照した情報源

  1. Mastering the talk-to-listen ratio in sales calls(Gong.io)・確認日 2026-07-05
  2. 傾聴とは?目的と効果やビジネスでの傾聴力の使い方についてわかりやすく解説(HRBrain)・確認日 2026-07-05
  3. SPIN営業とは?その効果や成功のポイントを徹底解説(Sansan(営業DX Handbook))・確認日 2026-07-05
  4. 営業ヒアリングのコツと流れ7ステップ|フレームワーク・質問例・おすすめツール8選(ヒアリングDXブログ(interviewz.io))・確認日 2026-07-05

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