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このシリーズの全体像 フリーランスの営業の仕方|営業を教わらずに独立した人が、まず何をするか
インスタのDM営業は「一通目で仕事を頼まない」と決めると書ける|そのまま使える基本の例文
DMの下書きを開き、三行書いて消し、書き直し、結局送らずに閉じる。営業を自分から始めようとする人に、この場面は珍しくないと思います。
手が止まる原因は、文章の上手い下手とは別のところにあると見ています。一通目に「自分は何者か」「実績の証明」「仕事の依頼」を全部入れようとしていないでしょうか。三つを詰め込むほど、書くたびに文面は重くなり、送信ボタンが遠くなります。
まだ仕事をしたことのない相手に、仕事の話を切り出せない。切り出す文面を考えるほど売り込みっぽくなり、消してしまう。
この状態にいる人は、「仕事をしたこともない相手にDMで営業したら、売り込みに来た迷惑な人だと思われる」と感じているのではないか、というのが私の見立てです。頼んだ瞬間に、相手と対等でなくなる気がする。そう感じる人もいると見ています。
頼もうとして手が止まるのは、文章が下手だからではなく、頼んだ瞬間に「自分は仕事をください、と頭を下げに来た人になる」気がするからではないでしょうか。
仕事をしたことのない相手に仕事の話を切り出せず、下書きを消す。教科書ではこれを「切り出せない型」と呼んでいます。
最初の一通で頼まなくていい。頼まずに近況を伝えるだけでも、仕事の入口にはなります。
そこで、一通目では頼まないと決めます。相手の投稿への感想と、自分が何をしている人かを伝えるだけで足ります。仕事の話は、やりとりが続いてからで間に合います。頼まない一通目なら、売り込みと受け取られる材料がほとんどありません。
職人から社長になった人で、インスタを営業に使わない場合は営業全体の順番から読んでください。
一通目の基本形は4つの部品
①どの投稿を見たか(具体的に1つ)
「投稿を拝見しました」だけでは、誰にでも送れる文面になります。「先週の新メニューの投稿」のように、相手が思い出せる1つを書きます。
②そこで何を感じたか(1〜2文)
「湯気の立ち方まで伝わる写真で、見ているうちにお腹がすきました」のように、本当に感じたことだけを書きます。ほめ言葉を盛る必要はありません。
③自分は何をしている人か(1文)
「私は名古屋で、飲食店さん向けにメニュー写真を撮っています」のように、職種と地域と相手を1文に入れます。実績はここに足さず、プロフィールに任せます。
④返事をしなくていい終わり方
「お返事は気にしないでください」と添えます。返事をする義務がなくなるので、相手は気楽に読めるはずです。
そのまま使える基本の例文
職種と地名は仮の例です。自分の仕事に置き換えて使ってください。
先週の新メニューの投稿を拝見しました。 湯気の立ち方まで伝わる写真で、見ているうちにお腹がすきました。 私は名古屋で、飲食店さん向けにメニュー写真を撮っています。 同じ地域で頑張っている方の投稿だったので、思わずご連絡しました。 お返事は気にしないでください。
5行です。依頼も料金もURLも入っていません。これなら、受け取った側は「感想をくれた人」として読めます。
営業全体の順番の中でDMがどこに当たるかは、フリーランスの営業のしかたで整理しています。DMは、知り合う段階の入口にあたります。
送る前に整えるプロフィール|DMを受け取った人は、本文より先に送り主のページを見る
知らない人からDMが届いたとき、受け取った側は何をするか。本文を読み切る前に、送り主のプロフィールを開く人が多いと見ています。「この人は誰だろう」を、まず確かめたいからです。
名前を見て、自己紹介の1行目を読み、上のほうに並ぶ投稿をざっと眺める。短い時間でこれをして、「ちゃんとした人か」を決める人が多いのではないでしょうか。ここで何をしている人か分からないと、本文がどれだけ丁寧でも、売り込みに見えやすくなります。
だから、DMを書く前にプロフィールを整えます。プロフィールが整うまでDMは送らない。 これを最初の手順にしてください。
受け手が最初に見る3か所
- 名前欄:名前+職種+地域。「◯◯|名古屋・メニュー写真」のように、名前の欄だけで何をしている人か分かるようにします
- 自己紹介文の1行目:誰に何をしている人かを置きます。2行目以降は読まれないこともあります
- 上のほうに並ぶ投稿:開いた瞬間に見える部分です。ここに仕事の気配がないと、趣味のアカウントに見えます
この3か所で「何をしている人か」が分からないと、DMは売り込みに見えやすくなります。
自己紹介文のBefore/After
| 自己紹介文 | 受け手に見えること | |
|---|---|---|
| NG例 | デザイナー/フリーランス/お仕事のご依頼はDMへ | 職種と立場は分かる。誰の何を作る人かは分からない |
| 直し例 | 名古屋の小さなお店のチラシとメニューを作っています/ご相談はDMでどうぞ | 相手が「自分の店の話だ」と重ねられる |
直すときの順番は「誰に」「何を」「している」です。肩書きより先に、相手の顔が浮かぶ言葉を置きます。
固定する投稿は、次の3つの役割で選びます
固定する投稿は、次の3つの役割で選びます。
- 仕事の例(作ったもの、撮ったもの、実際の現場)
- どんな人に頼まれているか(お店の種類、仕事の相手)
- 自分の考え方や人柄が分かるもの
実績を全部並べる必要はありません。受け手が自分の店や自分の仕事を重ねられる1本のほうが、読まれやすいと私は見ています。
まずは、自己紹介文の1行目を直すだけでも違います。
相手別の一通目の例文|お店のオーナー、近い仕事の人、前につながりがあった人
基本形は同じで、相手との距離で中身を変えます。以下の店名・地名・時期は、すべて仮の例です。自分が実際に見たもの、感じたことだけに置き換えてください。
お店や会社のアカウントに送るとき
投稿の中身(新メニュー、店内の改装など)に触れ、客として、同じ地域の人としての感想を書きます。仕事の提案は書きません。
昨日の店内の改装の投稿を拝見しました。 入口のあたりが明るくなっていて、近くを通るときに見るのが楽しみになりました。 私は同じ名古屋で、飲食店さん向けにメニュー写真を撮っています。 近くに行く機会があれば、寄らせてください。 お返事は気にしないでください。
同業や近い仕事のフリーランスに送るとき
仕事を回してほしい、とは書きません。仕事の進め方への共感か質問で終えます。「いつか一緒にお仕事できたらうれしいです」くらいの軽い一言までに留めます。
先日の、納品までの流れをまとめた投稿を拝見しました。 修正の受け方を最初に決めておく、という話がとても参考になりました。 私は名古屋で、飲食店さん向けにメニュー写真を撮っています。 いつか一緒にお仕事できたらうれしいです。 一つだけ教えてください。お見積りの段階で、修正の回数はどう伝えていますか?
以前名刺交換した人・昔の取引先に送るとき
会った場面を1行で思い出してもらい、近況を伝えるだけにします。「〇月の〇〇の会でお話しした△△です」から入ります。
ご無沙汰しています。〇月の〇〇の会でお話しした、△△です。 先日の投稿で、新しい事務所に移られたと知り、ご連絡しました。 私はその後も名古屋で、飲食店さん向けにメニュー写真を撮っています。 お元気そうで何よりです。お返事は気にしないでください。
末尾は「質問を1つ」か「返事不要」のどちらか
3本とも、締め方は2択です。選ぶ基準は相手との距離です。
- 距離が近い(会ったことがある、同業で近い立場)→ 質問を1つだけにしてよい
- 距離が遠い(面識がない、お店のアカウント)→ 返事不要で終える
質問を2つ以上重ねると、返事をするのが宿題になります。1つだけにしてください。
返事が来ない一通目のNG例と直し方
返事が来ない一通目には、似た形が多いと見ています。次の表で、受け手にどう見えるかと直し方を並べます。
| NG例 | 受け手にどう見えるか | 直し方 |
|---|---|---|
| ①「突然のご連絡失礼いたします。私は〇〇をしております。ぜひ一度お仕事のご相談を…」 | 誰にでも送れる文面に見える | 相手の投稿の具体的な1つに触れる文から始める |
| ②一通目で料金表やポートフォリオのURLを貼る | 宣伝のメッセージに見える | URLは相手から聞かれたときに出す |
| ③実績を5つ以上並べた長文 | 読む前に閉じられる | 自己紹介は1文。実績はプロフィールに任せる |
| ④「お返事お待ちしております」で締める | 返事をする義務を負わされたように感じる | 「お返事は気にしないでください」か、答えやすい質問1つで終える |
| ⑤同じ文面を何十件にもコピーして送る | 一斉送信だと気づかれやすい | 相手ごとに、見た投稿に合わせて書き直す |
⑤については、同じ文面の大量送信は、相手に一斉送信と気づかれやすいので避けます。規約上の扱いはInstagramのヘルプで確認してください。
①と②は、悪気なくやりがちです。丁寧に書こうとするほど、定型の挨拶と依頼の言葉が入り、誰にでも送れる文面に近づきます。
返事が来たら二通目で何を送るか|DMの次は「会って話す」へつなぐ
返事が来たときの二通目
ここでも、仕事の話はまだしません。お礼と、相手の返事の中身に1つだけ触れます。
返信ありがとうございます。 「光の入る時間帯に合わせて撮っている」というお話、なるほどと思いました。 また投稿を楽しみにしています。
相手の返事を受け止めたことが伝われば、十分です。返信が来ただけで、依頼につなげようと急ぐ必要はありません。
やりとりが2〜3往復したら、会う・話す誘い方に進む
2〜3往復して、お互いの仕事の話が出てきたら、会う誘いに進みます。相手との距離に合わせて、次のどちらかを使います。
相手が個人の場合:
もしご迷惑でなければ、近くに行く日に15分だけお茶でもいかがですか。
お店の場合:
お店に伺ってもいいですか。
対面に移す理由は、このメディアの考えにあります。人と人が会って、信頼が積み上がる。画面の上の言葉は、丁寧に書いても温度が伝わりにくいものです。顔を見て話せば、相手の困りごとがその場で聞けて、こちらの人柄も伝わります。DMは、その場に行くための入口だと考えてください。
断られても、そこで関係が切れるわけではありません。「また機会があれば」と返して、投稿へのいいねや感想を続ければ十分です。
返事が来なかったとき
追いかけるのは一度だけです。間をあけて、相手の新しい投稿への感想として送ります。日数は私の目安です。最初のDMから二週間ほどあけます。
| 文面 | |
|---|---|
| NG例 | 先日のDM、見ていただけましたか? |
| 直し例 | 新しいメニューの投稿を拝見しました。ソースの色がきれいで、思わず見入りました。 |
催促は、返事をしなかった相手に負い目を作りがちです。新しい感想なら、前のDMに触れなくても読めます。それでも返事がなければ、その相手には一度区切ります。
誰に送るかの決め方と、送りすぎないための自分ルール
問い合わせが来るのを待つだけでは、出会う相手は増えません。最初の行動として、週に1回、自分で相手を選ぶ時間を取ります。30分でも十分です。その時間に、送りたい相手を1人だけ決めます。
送る相手の選び方
次の3つが当てはまる相手を選びます。
- 自分の仕事で、困りごとが解けそうな相手
- 投稿を5本以上読んで、感想が具体的に書ける相手
- 同じ地域や、会いに行ける距離にいる相手
3つめは、二通目以降で「会う」に進むためです。遠い相手に送ると、オンラインのやりとりで終わりやすくなります。
送りすぎないための自分ルール
数字は、私の目安です。
- 1日に送るのは数通まで
- 文面は毎回、相手に合わせて書き直す
- 返事がなくても、同じ相手には二度まで
数を増やすより、1通ごとの精度を上げるほうがよいと私は見ています。
Instagramの利用規約や、送信の制限については、公式の条文を確認できていません。そのため、ここでは断定しません。気になる場合は、Instagramのヘルプを直接確認してください。
送信前の最終チェックリスト
持ち帰り用に、1つにまとめます。
プロフィール
- 名前欄に職種と地域がある
- 自己紹介文の1行目で、誰に何をしているか分かる
- 上に固定した投稿に、仕事の例がある
一通目
- 相手の投稿の具体的な1つに触れている
- 自己紹介は1文で済ませている
- 仕事の依頼・料金・URLを入れていない
- 5〜6行以内に収まっている
- 返事をしなくていい終わり方か、質問が1つだけになっている
- 他の人に送った文面のコピーになっていない
送ったあと
- 返事が来たら、二通目はお礼+相手の話に1つ触れる
- 返事が来なければ、催促しない
今日やれる形にすると
- プロフィールの1行目だけ直す
- 送りたい相手を1人だけ決める
- その人の投稿を5本読む
DMを書くのは、そのあとで構いません。5本読んだあとなら、感想は自然に出てきます。
よくある質問
インスタのDMで営業するのは迷惑ですか?
受け手が迷惑に感じやすいのは、誰にでも送れる文面で、いきなり依頼や宣伝をされたときだと見ています。相手の投稿に具体的に触れ、一通目で仕事を頼まなければ、感想のメッセージとして受け取られやすくなります。
インスタのDM営業は規約違反になりますか?
手動のDMで営業すること自体を直接定めた公式の条文は、確認できていません。同じ文面の大量送信は、相手に一斉送信と気づかれやすいので避けます。規約上の扱いはInstagramのヘルプで確認してください。
DMの返信が来ないとき、催促してもいいですか?
「見ていただけましたか」という催促は送りません。間をあけて、相手の新しい投稿への感想として一度だけ送ります。それでも返事がなければ、その相手には一度区切ります。
一通目に料金やポートフォリオのURLを入れてもいいですか?
入れないほうがよいです。宣伝のメッセージに見えやすくなります。実績はプロフィールに任せ、URLや料金は、相手から聞かれたときに出します。
DMを送る前にプロフィールで何を直せばいいですか?
名前欄に職種と地域、自己紹介文の1行目に「誰に何をしている人か」、上に固定する投稿に仕事の例を置きます。受け手は、本文より先にここを見る人が多いと見ています。
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