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このシリーズの全体像 営業メールの例文集|場面別に、そのまま使える文面
来なくなったお客様に送るはがきの例文と、送っていい理由
来なくなったお客様に送る文面を考え始めると、手が止まる人は多いようです。その手前で、「来なくなったのは何か気に入らなかったからで、今さら連絡したら迷惑なだけだ」と自分で決めていることがあります。
ただ、店からは来なくなった理由が見えません。引っ越した。仕事が忙しくなった。家族の事情で時間が取れない。予約するきっかけをただ逃した。どれもありえます。理由が分からないまま、「嫌われた」の方に決めているだけかもしれません。
まず、そのまま写せる基本の一枚です。美容室を例にしています。
〇〇様
ご無沙汰しております。サロン△△の□□です。
前回いらしたのは春でしたね。〇〇様の髪は乾燥しやすいとおっしゃっていたので、季節の変わり目にふと思い出しました。
お変わりなくお過ごしでしょうか。
また近くにいらしたときは、お顔を見せていただけたらうれしいです。
基本の一枚は3つの部分でできている
| 部分 | 書くこと | 上の例文では |
|---|---|---|
| ①名乗る | 店名と自分の名前 | 「サロン△△の□□です」 |
| ②覚えていることを1つ書く | 前回の施術や会話から1つだけ | 「髪は乾燥しやすいとおっしゃっていた」 |
| ③押さずに終える | 来てほしいと迫らず、「また顔を見せてください」で終える | 「お顔を見せていただけたらうれしいです」 |
②は1つだけにします。いくつも並べると、記録を読み上げられているように感じる人がいるからです。
この記事の方針を先に言い切ります。送るのは「割引の案内」ではなく、「覚えています」を伝える一枚です。割引がなくても、覚えていてもらえたこと自体が、連絡を受け取る理由になります。以降の例文はすべてこの方針で書いています。
最後に来た時期で変える例文3パターン
来なくなってどれくらい経つかで、書き出しと中身を変えます。期間の区切りはあくまで目安です。美容室、エステ、整体、ネイルなど、業種ごとに通う周期が違うので、自分の店の周期に合わせてずらしてください。

最後の来店から2〜3か月(いつもの周期を少し過ぎたころ)
周期の話を軽く添えます。予約を急かす言葉は入れません。
〇〇様
サロン△△の□□です。
そろそろ前回から2〜3か月ほどになりますね。毛先の様子はいかがですか。伸びてきて、まとまりにくくなっていないかなと思い出しました。
お仕事が忙しい時期かと思います。落ち着いたころに、また顔を見せてください。
「そろそろ」「いかがですか」は問いかけの形ですが、返事を求めているわけではありません。予約フォームの案内や「ご予約はこちら」は、この段階では入れません。
半年ほど空いたとき
季節のあいさつを入口にします。書き出しの例を3つ挙げます。
- 夏:「毎日暑い日が続いていますね。日差しで髪や肌が傷みやすい季節ですが、お変わりなくお過ごしでしょうか」
- 年末:「年末のお忙しい時期かと思いますが、お元気でお過ごしでしょうか」
- 春:「桜の便りが聞かれるころになりました。新しい季節を前に、〇〇様のことをふと思い出しました」
続きは、基本の一枚の②と③をつなげます。
前回いらしたのは秋でしたね。そのときに話していた旅行の話を、ときどき思い出していました。
また近くにいらしたときは、お顔を見せていただけたらうれしいです。
1年以上空いたとき
ここまで空くと、前回の施術内容を細かく書くのは控えめにします。「そこまで見られていたのか」と重く感じる人もいるからです。代わりに、店の近況を1つだけ伝えます。新しいメニュー、スタッフの変化、模様替えなど、どれか1つで足ります。
〇〇様
ご無沙汰しております。サロン△△の□□です。
先日、店内の席の配置を少し変えて、入口のそばに待ち合いのスペースを作りました。以前より、ゆっくり座っていただけるようになったと思います。
お変わりなくお過ごしでしょうか。
近くにいらしたときは、のぞいていただけたらうれしいです。
「お変わりなくお過ごしでしょうか」で終える形にしておくと、返事や来店を求めない手紙になります。
受け取った側が引っかかる言葉(NG例と書き換え)
はがきを受け取ったお客様が読み取るのは、店の事情ではなく、「自分がどう見られているか」です。責められている感じ、売り込まれている感じが出ると、はがきはそこで捨てられます。書く側は気づきにくいので、受け取る側の目で一度読み直してみてください。

| NGの書き方 | 受け手がどう読むか | 書き換え |
|---|---|---|
| 最近お見えにならないので心配しております | 来ていない自分を数えられている | 前回から少し時間が空いたので、ふと思い出しました |
| 何かご不満な点がございましたら | 不満があって来なくなったと決めつけられている | 書かない。理由を聞くのは、来店したときでも遅くない |
| ご来店を心よりお待ちしております(文中に何度も) | 来いと何度も言われている | 最後に一度だけ「また顔を見せてください」 |
| 半額、期間限定(大きな見出しで) | 売り込みのチラシ | 入れるなら最後に小さく。主役にしない |
「心配しております」は優しい言葉に見えますが、受け取る側には「来ていないことを知られている」という意味にも読めます。この表は私の見方を含めた整理で、実際に受け取った人の反応を集めたものではありません。
印刷の文だけで終わらせない
印刷した文面だけだと、全員に送っているチラシに見えやすくなります。手書きの一言が1行あるだけで、その人に向けて書いたものだと伝わります。自分が受け取る側なら、印刷だけのはがきより、手書きが1行あるはがきの方を手に取って読むのではないでしょうか。
一言は短くて構いません。「髪、伸びましたか」でも十分です。長く書くほど、書くのが重くなって続かなくなります。
割引を前に出さない
割引を前に出すと、「安いときに行けばいい店」として覚えられやすくなります。値下げで呼び戻した人は、次も値下げを待つようになりやすい、と私は見ています。ただし店側の判断の話で、どちらが正しいと決まっているわけではありません。
この記事では、値下げで呼び戻すよりも、覚えていたことを伝える方を先にする、という立場で書いています。割引を入れたい場合は、手紙の最後に小さく、1行だけにします。
はがき1枚の組み立て方と、かかる費用
表と裏の使い分け

宛名面ではない側(裏面)を、上半分と下半分に分けます。
- 上半分(印刷):店名、季節のあいさつ、店の近況を1つ
- 下半分(手書き):その人宛ての一言を書く欄として空けておく
印刷の部分は、1回作れば同じ時期の全員に使えます。毎回手書きで書くのは、下半分だけです。
手書きの一言は「前回の会話から1つ」だけ
手書きの一言は、前回の会話から1つだけ拾います。たとえば、次のようなものです。
- 「お嬢さんの受験、どうでしたか」
- 「あのとき話していた旅行、行けましたか」
- 「引っ越したばかりでしたね。通いやすくなりましたか」
この一言が書けるかどうかは、カルテや顧客メモに会話を残してあるかどうかで決まります。メモがなければ、次の来店から「話題を1つだけ」書き残す習慣を作ってください。今日からでも始められます。
費用の目安
通常はがきの郵送料は1枚85円です。送る枚数を掛けた金額が、郵送料の合計になります。印刷代やはがき代は別にかかります。
この金額を、自分の店の数字と比べてみてください。1人が戻ってきたときの売上はいくらか。何人戻れば、はがきにかけた費用を超えるか。店ごとに違うので、自分の数字で見てください。
大きさ・重さの規格について
はがきの大きさや重さの規格は、この記事では断定しません。店で自作のはがきを使う場合や、市販品以外の紙を使う場合は、出す前に日本郵便のページで規格を確かめてください。
「そのうち送ろう」で止めないために、送る日と相手を先に決める
文面まで考えたのに、忙しい週が続いて結局出していない。また連絡するつもりはあるが、いつ出すかを決めていないので、そのまま切れていく。私はこれを「そのうち型」と呼んでいます。止まる一番の理由は、いつ出すかを決めていないことだと見ています。文面を直しても、送る日が決まっていなければ、はがきは出ません。

先に決めるのは、文面ではなく「出す日」
月に1回、曜日と時間帯まで決めます。たとえば、毎月最初の定休日の午前中に、カルテを見て送る相手を選び、書いて、その日のうちにポストに入れる。こう決めると、「いつやるか」で迷う時間がなくなります。カレンダーに予定として入れておきます。
誰に何を送るかの判断表
| 最後の来店から | 送る内容 | 手書きの一言 |
|---|---|---|
| いつもの周期を少し過ぎたころ | 周期の話を添えた一枚 | あり(前回の会話から1つ) |
| 半年ほど | 季節のあいさつの一枚 | あり |
| 1年以上 | 店の近況だけの一枚 | あれば添える。なくても出す |
判断の決まりは2つだけです。
- 迷ったら送る。迷っている間に、また1か月が過ぎます
- 引っ越しなどで戻ってきたはがきの宛先は、台帳から外す。同じ宛先に送り続けない
一度に全員に送らない
今月は10人、というように、少ない人数から始めます。10人なら、手書きの一言が書けます。書けない枚数を最初から抱えると、また「そのうち」に戻ります。慣れてきたら増やせばよく、増やさなくても構いません。
封書の手紙にするときの例文と、メール・LINEとの使い分け
封書にする場面
次のような場合は、はがきより封書が向いています。
- 長く通ってくれていた常連の方に送る
- 担当者が辞めた、店を移ったなど、事情を伝える必要がある
担当者が店を移った場合の例です。順番は、あいさつ、近況、担当が変わったことの説明、また会えたらうれしい、です。
〇〇様
ご無沙汰しております。長いあいだ、ありがとうございました。
さて、私は今年の春から、サロン△△に移りました。以前の店でご担当させていただいていたころは、いつも気にかけていただき、うれしく思っておりました。
突然のご連絡になってしまい、申し訳ありません。ご案内が遅れたのは、移るにあたってバタバタしていたためです。〇〇様に、ぜひお知らせしたいと思い、筆をとりました。
以前と同じように、またお会いできる機会があればうれしいです。お近くにいらしたときは、お顔を見せてください。
〇〇様のご健康とご多幸をお祈りしております。
事情の説明は、一度で十分です。言い訳に聞こえないよう、短く事実だけを書きます。
手段の使い分け
| 手段 | 向いている場面 | 気をつけること |
|---|---|---|
| はがき | 届いたときに目に入る。一言が添えやすい | 文面は短く。長文は書かない |
| 封書 | 事情の説明や、長めのお礼を伝えたいとき | 重く感じる人もいる。必要なときだけ |
| メール・LINE | すでにやりとりがある人。軽く送れる | 流れやすい。読まれずに終わることがある |
どれが正解ということはありません。そのお客様と前にどの手段で話していたかで選びます。LINEで予約のやりとりをしていた人に、いきなり封書を送ると、驚かれることもあります。
メールで送る場合の書き方は、営業メールの例文で、書き出しから結びまでの型を紹介しています。
お客様の住所や連絡先をDMに使うことに不安がある場合は、ここでは一般的な考え方の紹介にとどめます。個別の判断は専門家に相談してください。
送ったあとにやること:返事がなくても、来てくれたときも
反応がなくても、「やっぱり嫌われていた」と決めない
返事がなくても、嫌われたとは限りません。はがきを見て、来るのが次の季節になる人もいます。返事のない人には、半年後にもう一枚、季節のあいさつだけを送ります。次に送る日付は、台帳に先に書いておきます。
やってはいけないのは、反応がなかった人に、すぐ割引を強めた2通目を送ることです。受け手には「追いかけられている」と見えます。送る間隔は空けます。
来てくれたときの迎え方
来店されたときは、「どうして来なくなったんですか」とは聞きません。理由を聞かれると、責められたように感じる人がいます。次のくらいで十分です。
「はがき、届きましたか。お会いできてうれしいです」
そのあと、前回のメモを見て、続きの会話を1つします。「お嬢さんの受験、どうでしたか」のように、はがきに書いた一言の続きを聞くと、自然につながります。
送った記録は一行で残す
次の月にいちから考えずに済むよう、記録を一行で残します。
| 名前 | 送った日 | 書いた一言 | 来店の有無 |
|---|---|---|---|
| 〇〇様 | 10/5 | 旅行、行けましたか | まだ |
| △△様 | 10/5 | 受験どうでしたか | 10/28 来店 |
「来店の有無」が「まだ」の人は、次に送る日付を横に書いておきます。この一行があると、翌月の「誰に送るか」が数分で決まります。
よくある質問
休眠顧客にDMを送るのは迷惑になりませんか?
来なくなった理由は店からは見えず、不満とは限りません。理由を聞かず、覚えていることを1つ伝えて「また顔を見せてください」で終える一枚なら、売り込みとは受け取られにくいと考えています。責める言葉や、割引を前に出す文面は避けた方がよいです。
DMに割引クーポンは入れた方がいいですか?
入れるなら最後に小さくします。主役にすると「安いときに行けばいい店」として覚えられやすくなります。先に伝えるのは、覚えていたことと店の近況です。
何か月来ていないお客様に送ればいいですか?
業種ごとの通う周期で考えます。目安は、いつもの周期を少し過ぎたころ・半年・1年以上の3つで、それぞれ文面を変えます。迷ったら送ります。送る日を毎月決めておくと止まりません。
はがきと手紙(封書)、どちらで送るのがいいですか?
基本ははがきです。届いたときに目に入り、手書きの一言が添えやすいからです。担当が変わったなど事情を説明したいときや、長く通ってくれた方へのお礼は封書が向いています。前にLINEやメールでやりとりしていた人には、そちらでもかまいません。
はがきDMの費用はどれくらいかかりますか?
通常はがきの郵送料は1枚85円です。送る枚数を掛けた額が郵送料の合計で、印刷代やはがき代は別です。1人戻ってきたときの売上と、自分の店の数字で比べて考えます。
参照した情報源
- 国内の料金表(手紙・はがき)(日本郵便)・確認日 2026-10-23
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