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このシリーズの全体像 営業メールの例文集|場面別に、そのまま使える文面

提案書を送るメールに書くのは「どこを読むか」「何を決めてほしいか」「次にいつ話すか」の3つ

提案書を送ったのに、返事が来ない。2日、3日と経つうちに、中身が刺さらなかったのか、金額が高すぎたのかと考え始めることがあります。

送付メールに入れる3つの要素を並べた構造図

この記事では、提案書を送るメールの書き方を、そのまま使える例文で渡します。先に結論を書くと、送付メールに入れるのは「どこを読むか」「何を決めてほしいか」「次にいつ話すか」の3つです。

返事が来ない理由を、提案の中身のせいだと決めるのは早い

受け取った側の事情を想像してみます。

PDFを開く。ページがいくつもある。どこから読めばいいのか分からない。最後まで読んでも、自分は何を返せばいいのか分からない。忙しい日に届いていれば、「あとでちゃんと読もう」と閉じて、そのまま後回しになります。

この流れだと、提案の中身が良いか悪いかは、まだ判断されていません。読まれる前、あるいは返す言葉が見つからない段階で止まっている。私はそう見ています(仮説です)。

黙られたのは中身がだめだったからだ、と結論を出すのは、メールが相手に次の動きを渡せていたかを確かめたあとでも遅くありません。

NG例:「添付しました」で終わる一通

次の文面は、よくある形です。

返す言葉がなく返信が後回しになる流れの因果図

提案書を添付いたしました。 ご確認のほど、よろしくお願いいたします。

丁寧で、失礼はありません。ただ、この2行には3つのものが入っていません。

  • 読む場所が書かれていない
  • 決めてほしいことが書かれていない
  • 次にいつ話すかが書かれていない

相手は読んだあとも、「確認しました」としか返しにくいはずです。確認した、の先に何を言えばいいのかは、メールのどこにも書いてありません。返す言葉がないメールは、返信の順番が後ろに回りがちです。

送付メールの役目は3つだけ

送付メールの役目は、次の3つだけです。

  1. 読んでほしいところ:ページを1か所、はっきり指す
  2. 決めてほしいこと:一言で返せる質問の形にする
  3. 次に話す日:候補をこちらから先に出す

短い見本を3行で書くとこうなります。

4ページ目に、先日おっしゃっていた件の答えをまとめました。 A案とB案のどちらが近いか、今のお考えを教えてください。 15分ほど画面を見ながらご説明したいので、火曜午後か木曜午前はいかがでしょうか。

丁寧なあいさつや資料の説明は、この3行の外側に足すものです。まずこの3つが入っているかを見ます。

送ったあとに何をすればいいかを習っていないと、資料を出したところで「あとは相手の番」と待ちに入りがちです。待つこと自体が悪いのではありません。待つ前に、相手が動ける形にメールを整えておく。それだけで、同じ提案書でも返事の来やすさは変わると考えています。

営業メール全体の例文はこちらにまとめています。この記事では、提案書を送る場面に絞って書きます。

そのまま使える提案書送付メールの例文(基本形)

個人で仕事をしている人が、そのままコピーして使える形で載せます。◯の部分と固有名詞だけ差し替えてください。

件名の例

件名は、何の提案か、誰から来たかが分かるようにします。3つ挙げます。

  • 【ご提案】ホームページ改修の件/山田デザイン
  • ホームページ改修のご提案をお送りします(4ページ目を先にご覧ください)
  • 先日のお打ち合わせの件:ご提案書

2つ目は、読んでほしいページを件名に入れています。メールを開く前から、どこを見ればいいかが伝わります。3つ目は、相手が打ち合わせを覚えていれば、すぐ誰からのメールか分かる形です。

本文の全文例

件名:【ご提案】ホームページ改修の件/山田デザイン

佐藤様

お世話になっております。山田デザインの山田です。 本日はお時間をいただき、ありがとうございました。

「問い合わせが来ても、どのページから来たのか分からない」とおっしゃっていた件を、提案書の4ページ目にまとめました。まずそこだけご覧いただければ十分です。

決めていただきたいのは、A案(今のページを直す)とB案(トップを作り直す)のどちらが近いか、という点です。金額は6ページ目に載せています。

15分ほどお時間をいただければ、画面を見ながらご説明します。◯日(火)午後か、◯日(木)午前はいかがでしょうか。

来月の作業枠を組みたいので、◯日ごろまでにお考えを聞けると助かります。

どうぞよろしくお願いいたします。

山田デザイン 山田 ◯◯

順番は、お礼1文 → 打ち合わせで相手が言った困りごと → 読んでほしいページ → 決めてほしいこと → 次に話す日の候補2つ → 期限と理由 → 締め、です。

この文面には、「社内でご検討」「ご担当部署」のような言い回しを入れていません。個人や小さな会社に送るなら、相手の言葉と自分の言葉で十分に通じます。

添付ファイルの名前は、相手があとで探せる形にする

ファイル名相手から見ると
NG提案書_最終.pdf何の提案書か、いつのものか分からない。他の「最終」と混ざる
OK佐藤様_ホームページ改修のご提案_1021.pdf相手の名前、案件、日付が分かる。検索でも出てくる

日付と相手の名前が入っていれば、数週間後に相手が探し直すときも迷いにくくなります。

本文の長さの目安

本文は、スマホの画面を1〜2回スクロールすれば読み切れる長さにします。提案書の中身をメール本文で全部説明すると、メールだけで満足されるか、長すぎて読まれないかのどちらかになりがちです。本文は案内役に徹して、中身は資料に任せます。

場面別の例文:打ち合わせ直後・金額が入っているとき・修正版を送るとき

基本形が分かったところで、場面ごとに文面を変えます。各例文で、いちばん大事な1文には★を付けました。

打ち合わせの当日〜翌日に送るとき

相手の記憶がまだ残っている時期です。打ち合わせで出た言葉を、そのまま使います。

昨日はありがとうございました。 ★「更新が止まっているのが気になる」とおっしゃっていた点は、4ページ目にまとめました。 そこだけ先に見ていただければ、全体の方向は伝わると思います。 A案とB案のどちらが近いか、一言いただけますか。

★の1文は、相手の言葉を返しています。自分の言葉が提案書に載っていると分かった時点で、相手は「読む理由」を持てます。

金額が入っている提案書を送るとき

金額は濁さず、何にいくらかかるかが載っているページを示します。2〜3案で出して、「どれが近いか」を聞く形にします。

金額は6ページ目に、3つの案を並べています。 ★内容と金額の組み合わせで、どれが今の状況に近いか教えてください。 迷われる場合は、「真ん中の案に近い」のような一言でも十分です。

並べて見せると、相手は「高いか安いか」の二択で考えずに済みます。内容を比べて選ぶ話に変わります。

NG例も並べておきます。

NG:総額は◯◯円です。ご確認のほどよろしくお願いいたします。

総額だけが書かれていると、相手は中身を分けて考えられません。「高い」か「安い」しか判断材料がなく、決めきれないときは黙るしかなくなります。黙られた側は、金額を見て引かれたのかと考えます。でも実際は、相手がまだ決め方を持てていないだけのことがある、と見ています。

修正版を送り直すとき

修正版は、変えた箇所だけを箇条書きにします。全部を読み直させません。

修正版をお送りします。★前回から変えたのは2点です。 ①納期を2週間延ばしました(5ページ目) ②撮影を外したプランを足しました(7ページ目) それ以外は前回と同じです。 追加したプランも含めて、どれが近いかをお聞かせください。

「それ以外は前回と同じです」と書いておくと、相手は安心して変更点だけを見られます。ファイル名は、日付を変えて別名で保存します(例:佐藤様_ホームページ改修のご提案_1028.pdf)。

「読んでほしいところ」の書き方は、資料のまとめではなく相手の言葉を返すこと

送付メールでいちばん迷いやすいのが、「読んでほしいところ」の書き方です。

目次を並べる書き方と相手の困りごとを引く書き方の比較図

NG例:提案書の目次を本文に並べる

提案書の構成は、以下のとおりです。

  1. 現状分析
  2. ご提案内容
  3. スケジュール
  4. お見積り

丁寧に見えます。でも、相手から見ると、どこが自分に関係するのか分かりません。目次は資料の中にもあります。メール本文で重ねて書く意味は薄い、と私は考えています。

OK例:相手が言った困りごとを1つ引いて、答えのページを示す

「新規のお客さんが来ない」とおっしゃっていた件は、5ページ目の案Bが答えになります。

2つを並べると、違いがはっきりします。

書き方相手が受け取るもの
NG目次をそのまま並べる資料の地図。どこを読むかは自分で決める
OK相手の困りごと → ページ番号自分の話の答えがここにある、という案内

目次を並べるより、相手の困りごとを引いてページを示すほうが読まれやすい、と考えています。

読んでほしいところは1か所に絞る

全部大事だと思うと、3か所、4か所と書きたくなります。ただ、指すところが多いほど、どこも読まれにくくなります。絞る手順は次のとおりです。

  1. 打ち合わせで、相手がいちばん困っていたことを1つ選ぶ
  2. その答えが載っているページを探す
  3. 金額のページは、別に1行で添える

「困りごとのページ」と「金額のページ」、この2つが指されていれば足ります。

実績や自己紹介は、メール本文に足さない

不安なとき、実績や経歴を足したくなる気持ちは分かります。分かってもらいたい、という気持ちから出るものです。ただ、このメールの役目は、提案書を読んでもらい、次の話につなぐことです。実績は提案書の中で見せる場所を作り、メールは3つの役目に集中させます。

「ご検討ください」で終わらせない:返事をもらいやすい締め方

決めてほしいことを、質問の形にする

NG:ご検討のほど、よろしくお願いいたします。 OK:A案とB案、今のお考えに近いのはどちらでしょうか。どちらでもない場合も、その一言だけで大丈夫です。

「ご検討ください」は、相手に宿題を渡す言葉です。何をどこまで考えればいいのかが決まっていません。質問の形にすると、返す側は一言で済みます。「どちらでもない場合も一言で大丈夫です」と添えると、断りの返事も出しやすくなります。

次に話す日を、メールの中で先に出す

15分ほどお時間をいただけたら、画面を見ながらご説明します。◯日(火)午後か、◯日(木)午前はいかがでしょうか。

候補は2つにします。「いつでも大丈夫です」と書くと、相手が日程を考える手間が増えます。こちらから出した2つから選べれば、一言で済みます。

期限は、理由と一緒に書く

来月の作業枠を組むので、◯日ごろまでにお考えを聞けると助かります。

こちらの段取りの話として書けば、催促には聞こえにくくなります。期限を書かないとどうなるか。お互いが待ちのまま、日が空いていきます。相手は急がなくていいと思い、こちらは催促していいのか分からない。この状態が長引くほど、メールを出しづらくなります。

締めの一文の例を3パターン

  • 日程を出す:「◯日(火)午後か◯日(木)午前に、15分だけお話しできますか」
  • 選んでもらう:「A案とB案、今のお考えに近いほうを一言教えてください」
  • 返事なしでもいい日を決める:「◯日までに特にご連絡がなければ、こちらから一度お電話します」

3つ目は、返事を待たずに次の約束を作る形です。「こちらから連絡します」と先に書いておけば、後日の連絡は予定どおりのことになります。

送る前に見るチェック表

送信ボタンを押す前に、次の8項目を見ます。

見ることなぜ見るか
件名で中身と送り主が分かる開く前に何のメールか伝わる
相手が言った言葉が1つ入っている自分の話だと分かってもらえる
読んでほしいページが1か所ある迷わず読み始められる
決めてほしいことが質問の形一言で返せる
次に話す日の候補が2つある日程の相談が1往復で済む
期限には理由が付いている催促に聞こえにくい
ファイル名に相手の名前と日付あとで探しやすい
添付が実際に付いている送り直しを防げる

よくある失敗を3つ

送ったあとに気づくと、取り返しにくいものを挙げます。

  • 添付を忘れる:「失礼しました、添付します」と2通目を送ることになります。1通目の印象が崩れます
  • 古い版のファイルを送る:修正前のファイルが付いていて、相手と話が合わなくなります
  • 金額のページに前の案件の名前が残っている:コピーして作った資料で起きやすい失敗です。相手に見せてはいけない名前が出ると、信用に響きます

どれも、送る前に添付ファイルを自分で一度開いて見れば防げます。送信前に開く習慣を付けます。

送ったのに返事が来ないときに送る一通

いつ連絡するかは、送る時点で決めておく

送付から確認連絡までの流れを示す手順図

送付メールに、こう書いておきます。

◯日にこちらから一度、ご連絡します。

こう書いておけば、次の連絡は予定どおりのことになります。催促ではありません。手帳やカレンダーにも、その日付で「提案書の確認連絡」と入れます。入れておかないと、目の前の仕事に押されて、連絡が後ろに回ります。日が空くほど出しづらくなるので、日付を先に決めておくのが効きます。

確認メールの例文

NG:先日お送りした提案書は、ご確認いただけましたでしょうか。

この一文は、相手に宿題を返しているだけです。確認したかどうかを答えるのに、読み直す手間がかかります。

OK:お忙しいと思うので、1点だけお聞きします。A案とB案なら、どちらが近いでしょうか。

一言で返せる形にします。「まだ読めていません」という返事が来ても、それも前進です。次にいつ見てもらえるかを聞けます。

黙られたことが、断られたこととは限らない

金額を見て黙られると、高いと思われた、提案がだめだったのだと自分に言い聞かせてしまうことがあります(仮説です)。でも、相手はまだ決められていないだけかもしれません。比べる材料が足りなかったり、誰かに相談するのに時間が要ったりするかもしれません。

判断しやすくする一通を送るのは、押し売りではなく、相手が決めるための材料を足す行為だと私は考えています。

それでも返事がないときの区切り方

区切りも、先に自分で決めておきます。たとえば、2回送って返事がなければ、提案の話を一度置いて、近況を伝える連絡に切り替える。数字は目安で、決まりではありません。相手との関係や、案件の大きさで変えてかまいません。

大事なのは、「いつまで追うか」を決めずに、気持ちだけで待ち続けないことです。決めておけば、返事がない間も、次の動きに入れます。

よくある質問

提案書を送るメールの件名はどう書けばいいですか?

何の提案か、誰から来たかが件名だけで分かるようにします。【ご提案】◯◯の件/屋号、のように書きます。先に読んでほしいページがあれば、件名に(4ページ目を先にご覧ください)と添えてもかまいません。

提案書の内容はメール本文にも書いたほうがいいですか?

全部は書きません。打ち合わせで相手が言った困りごとを1つ引いて、その答えのページを示すだけで足ります。目次を並べると、どこが相手に関係あるのか分かりにくくなります。

提案書を送ったあと、返事が来ないときはいつ連絡すればいいですか?

送るときに「◯日にこちらからご連絡します」と書いておき、その日に連絡します。確認メールは「ご確認いただけましたか」ではなく、A案かB案かのように一言で返せる質問にします。

見積の金額が入った提案書を送るとき、メールで気をつけることは?

金額を濁さず、何にいくらかかるかが載っているページを示します。2〜3案で出して「どれが近いか」を聞けば、相手は総額だけで考えずに済みます。

提案書を送るメールに期限を書くと失礼ですか?

理由と一緒に書けば失礼になりにくいです。「来月の作業枠を組むので、◯日ごろまでにお考えを聞けると助かります」のように、こちらの段取りの話として書きます。

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