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このシリーズの全体像 対面営業の作法・人脈術 完全ガイド
打ち合わせは「近くに10分前、入るのは5分前」がよく言われる目安
「打ち合わせ 何分前」と調べる人の中には、こう思っている人が多いのではないかと私は見ています。会社で営業をしてこなかった自分には、着く時間のような常識が抜けている。会った瞬間に素人だと見抜かれる、と。
ただ、着く時間そのものは、調べればすぐ分かります。会社なら建物の近くに10分前、受付は5分前。そう言われることが多いです。差がつくのは、早く着いたあとの数分をどう使うかのほうだと私は見ています。時間どおりに着いても、席に座って頭が真っ白なら、打ち合わせの中身は変わりません。
この記事は、場所ごとの着く時間の目安から入り、早く着いた10分でやることまで書きます。そのまま使える文面と、前日・当日のチェックリストも付けました。
目安は場所で変わる。会社・お客様の家・カフェの早見表
3つの場所を1つの表にまとめます。どれも「一般にこう言われることが多い」という目安です。会社や相手によって事情は違うので、先方から時間や場所の指定があれば、そちらを優先してください。
| 場所 | どこで待つ | 何分前に着く | 何分前に入る・鳴らす | 気をつけること |
|---|---|---|---|---|
| 会社(事務所・ビル) | 建物の外の近くのコンビニや駅の待合 | 10分前ごろに建物の近くへ | 5分前ごろに受付へ | 大きなビルは入館に時間がかかる。入口の前で立って待たない |
| お客様の家 | 家から少し離れた場所 | 早めに近くへ着いても構わない | 約束の時間ちょうどがよいとされることが多い | 家の前での待機はしない。車の停め方は前日に聞く |
| カフェ | 店の中の席 | 自分が指定したなら15分前ごろ(私の考え) | 相手が来る前に席を決めておく | 席選びが勝負。話が聞こえるか、机が広いかを見る |
早すぎるのも相手の負担になる
早く着くのはよいことですが、受付にあまり早く行きすぎると、今度は相手の負担になります。相手は準備の途中で手を止めて迎えに出ることになるからです。
- 応接室の片づけが終わっていない
- 前の打ち合わせが押していて、部屋が空いていない
相手に気を遣わせないために、早く着いた分は「受付に行く時間」ではなく「建物の外で自分が使う時間」に回します。この使い方は、後半の章で書きます。
この記事が扱う範囲
名刺の出し方や座る位置など、打ち合わせ全体の作法は対面営業の作法まとめで書いています。この記事は「着く時間とその前後」に絞ります。
会社を訪ねるとき:受付まで予想外に時間がかかる3つの場所
入口から受付までに時間がかかる場所

大きなビルでは、入口から受付に立つまでに思ったより時間がかかることがあります。たとえば次のような場所です。
- セキュリティゲートで入館証を受け取る列に並ぶ
- エレベーターがなかなか来ない、または乗り換えが必要
- 受付が1階ではなく、別の階にある
ここで大事なのは、「駅に着いた時間」ではなく「受付に立つ時間」から逆算することです。14時の約束で、受付に13時55分に立ちたいなら、入口には13時50分より前に着いていたほうが安心です。初めて行く建物なら、さらに余裕を見ます。
受付で言うことの文面
受付で言うことは、先に3つ決めておくと迷いません。会社名、相手の名前、約束の時間です。
本日14時に、営業部の〇〇様とお約束しております、△△の□□と申します。
受付が無人で、内線電話が置いてあるだけのこともあります。その場合も同じ内容を話します。
△△の□□と申します。14時に営業部の〇〇様とお約束しております。受付に着きました。
相手の部署が分からないときは、名前だけでも通じます。前日に、相手の名前と部署をメモで確認しておくと慌てません。
受付前のNG例と、外での待ち方
- コートを着たまま受付へ行く:建物に入る前に脱いで腕にかけておくと、もたつきません
- 受付の前でスマホを見ながら待つ:受付の方や通りかかる相手の会社の人から見られています。スマホはしまって立ちます
- 会社の入口の前に立って待つ:出入りする人の邪魔になり、中から見えることもあります。近くのコンビニや駅の待合スペースで時間をつぶし、5分前ごろに受付へ向かう段取りにします
お客様の家に行くとき:早く着いても呼び鈴は鳴らさない
家への訪問は約束の時間ちょうどが多い
お客様の家への訪問は、約束の時間ちょうどに呼び鈴を鳴らす、とされることが多いです。相手は家の片づけや身支度の途中かもしれません。会社の受付と違って、迎える側が一人で準備しているので、早すぎる訪問は負担になりやすいと私は見ています。
これも一般に言われる目安なので、「少し早めに来てください」と言われたら、その言葉に従います。
早く着いたときに待つ場所
早く着いたときにやってはいけないことは2つあります。
- 家の前に車を停めて、中で待つ
- 玄関先をうろうろして、時間をつぶす
どちらも、相手に見られて落ち着かない思いをさせます。近所の人に不審に思われることもあります。順番はこうです。
- 家から少し離れた場所(コンビニの駐車場や公園の近くなど、停めてよい場所)で待つ
- 約束の時間の少し前に、歩いて家へ向かう
- 時間になったら呼び鈴を鳴らす
車で伺う仕事の人へ:前日に聞く一言
施術者、カメラマン、職人など、お客様の家で道具を出し入れする仕事の場合は、車の停め場所と荷物の運び方を前日に聞いておくと、当日の時間が読めます。
明日の件、ありがとうございます。当日は車で伺います。停める場所はどちらがよろしいでしょうか。また、道具を運び入れる玄関はこちらで大丈夫でしょうか。
停める場所を先に聞いておくと、「段取りができる人だ」と受け取ってもらいやすいと私は見ています。
カフェで会うとき:先に着いて、席と座る向きを決めておく
自分から指定したなら、15分前には着いておく
カフェで会うなら、自分から場所を指定した場合は、15分前には着いておくのがよいと私は見ています。理由は席選びです。
- 混んでいて、2人席しか空いていない
- 音楽が大きくて、話が聞こえない
- 隣の席が近くて、金額や仕事の話を声に出しにくい
これらは、相手が来てから慌てて直せません。先に着いて、席を決めておきます。
席の選び方のチェックリスト
- 資料やノートパソコンを広げられる机の広さがある
- 隣の席との距離が近すぎない
- 音楽が大きすぎず、向かい合って普通の声で話せる
- 相手が座る側から、入口の人の出入りが目に入りにくい(出入りが気になると、話に集中しにくいため)
- 電源が必要なら、コンセントの位置を見た

相手を入口が見える側に座らせない、というのは、私がカフェで会うときに気をつけていることです。人の出入りが視界に入ると、話の途中で気が散りやすいからです。
着いたことを知らせる文面
相手に店内で自分を探させないのが目的です。席を決めたら、次のように送ります。
先に着きました。奥の窓側の席にいます。グレーの上着を着ています。
飲み物は自分の分だけ先に頼む
飲み物は、自分の分だけ先に頼んでおくのが私のやり方です。相手の分は、来てから「何にされますか」と聞きます。相手が来る前に頼むと、好みが分からないまま選ぶことになりますし、冷めたり氷が溶けたりもします。
早く着いた10分でやること:聞くことを3つに絞って紙に書く
早く着くのは、マナーのためだけではありません。頭の準備をする時間を作るためでもある、というのがこの記事でいちばん伝えたいことです。
よくある場面:沈黙が怖くて、自分の説明で埋めてしまう
席に着いて間があくのが怖くて、自分の仕事の説明で埋める。気づけば30分ずっと自分が話していて、相手が何に困っているのか分からないまま帰る。こういう経験がある人は少なくないと思います。
教科書ではこれを「しゃべりすぎ型」と呼んでいます。沈黙が怖くて自分の説明で埋め、相手の話を取ってしまう状態のことです。
口下手ではなく、聞く順番を習っていないだけ
間があいた瞬間に「やっぱり自分は口下手だ、営業に向いていない」と思う人が多いと私は見ています。ただ、それは話す力の問題ではなく、何を聞けばいいかを習ってこなかっただけです。話がうまい必要はありません。聞く順番が決まっていれば、打ち合わせは進みます。
そのために、早く着いた10分を使います。
10分でやる3つの手順
- 相手の会社のホームページかSNSで、最近の出来事を1つ見る:新しいサービス、お知らせ、採用情報など、何でも構いません。1つだけ見ます
- 今日いちばん聞きたいことを3つ、紙かスマホのメモに書く:たとえば「いま、いちばん困っていることは何か」「見積もりを出す前に、金額・時期・仕上がりのどれを優先したいか」「いつまでに決めたいか」などです。工務店や職人など、見積もりを出す仕事の人は、見積もりの前に聞くことを1つ入れておくと、金額の話に入る前に相手の優先順位が分かります
- 最初の一言を決める:例えば「最近〇〇を始められたんですね」と、1の出来事から入ります

紙に書く理由は、緊張すると頭から抜けるからです。3つ書いてあれば、沈黙になったときも、メモを見て次の質問に進めます。メモを見ること自体は、失礼にあたらないと私は見ています。「今日聞きたいことを書いてきました」と先に伝えれば、むしろ準備してきたことが伝わると思います。
冒頭の不安に戻る:見抜かれるのは、着く時間ではなく席に着いたあと
冒頭に書いた「会った瞬間に素人だと見抜かれる」という不安について、着く時間の作法で見抜かれることは、実はそれほど多くないと私は見ています。差が出るのは、席に着いたあとの最初の数分です。その数分を、聞くことを3つ書いた紙が支えてくれます。
遅れそうなとき・早く着きすぎたときの連絡は、こう送る
遅れそうなときは、分かった時点ですぐ送る
遅れそうだと分かったら、その時点ですぐ電話かメッセージを送ります。約束の時間を過ぎてから送るのは避けます。待っている相手は、連絡がないと不安になりやすいからです。
文面には3つ入れます。理由、何分遅れるか、何時に着くかです。
申し訳ありません。電車が止まっていて、到着が10分ほど遅れそうです。14時10分ごろに着きます。
何分遅れるか分からないときも、「分かり次第、改めてご連絡します」と一言添えると、相手は予定を組み直せます。
早く着きすぎても連絡はいらない
早く着いたことを、わざわざ連絡しなくてもよいと私は考えています。ただ、相手から「着いたら連絡ください」と言われていたら、約束の5分前ごろに送ります。
〇〇です。いま1階に着きました。お時間になりましたら伺います。
相手が遅れてきたときの返し方
相手が遅れて来ることもあります。そのときは、責めずに流す一言を用意しておきます。
大丈夫です、ちょうど資料を見直していました。
この一言があると、最初の空気が固くなりにくいです。早く着いて準備していたからこそ、言える言葉でもあります。
前の日にやっておく、当日の時間を逆算するチェックリスト
逆算の順番
14時の約束なら、こう逆算します。

- 13:50 建物の近くに着く
- 13:55 受付に立つ
- 14:00 打ち合わせ開始
ここに、移動時間と、乗り換えの不安や駐車場探しのための余裕を足します。余裕の分数は、慣れている場所かどうか、電車か車かで変わります。初めての場所なら多めに、ご自身の状況に合わせて決めてください。
前日のチェックリスト
- 住所と建物の名前を確認した
- 受付の階を確認した
- 相手の名前と部署を確認した
- 駐車場の有無と、停める場所を確認した
- 当日の連絡先(電話番号)を控えた
- 聞くことのメモを下書きした
当日のチェックリスト
- 建物の近くに10分前ごろに着いた
- コートを脱いだ
- スマホをマナーモードにした
- 聞くこと3つを見直した
- 名刺をすぐ出せる場所に入れてある
ここまでできていれば、着く時間の作法で慌てることは減ります。そのうえで、打ち合わせの中身を変えるのは、早く着いた10分で何を準備したかです。まずは次の打ち合わせの前日に、聞くことを3つ書き出すところから始めてみてください。
よくある質問
打ち合わせに30分前に着いたら早すぎますか?
着くこと自体は問題ありません。ただ、受付へ行くのは5分前ごろにして、それまでは近くのカフェなどで待ち、聞くことを見直す時間にするのがよいと思います。
お客様の家への訪問は何分前に着くのがいいですか?
呼び鈴を鳴らすのは約束の時間ちょうどがよいとされることが多いです。早く着いたら、家から少し離れた場所で待ち、時間になったら歩いて向かいます。
受付は何分前に済ませればいいですか?
一般に5分前ごろと言われます。大きなビルは入館の手続きに時間がかかることがあるので、建物に入る時間はもっと早めに見ておくと安心です。
オンラインの打ち合わせは何分前に入ればいいですか?
ここは私の考えとして書きます。数分前に入り、音声とカメラを確かめておきます。相手が先に入っていても、慌てずにあいさつすれば大丈夫です。
打ち合わせに遅れそうなときは、いつ連絡すればいいですか?
遅れると分かった時点ですぐ連絡します。何分遅れるか、何時に着くかを入れて、電話かメッセージで伝えます。
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